相続手続・遺言書作成・離婚問題に関する基礎知識集

信託設立に関する基礎知識

生前信託(遺言代用信託)とは?

日本では、「生前信託」を「遺言代用信託」と呼ぶことが多いようですが、ここでは「生前信託」に名称を統一してご説明します。

 

●生前信託とは?

「生前信託」とは、信託を設立した人(委託者)が生存している間から効力を発揮している信託のことです。
                              

生前信託は以下のようなニーズによって設立されます。

①自分が生きている間に信託の用意をしておきたい

②自分が生きている間は財産の管理を自分で自由に行いたい

 

【委託者が生きている間】

委託者が生きている間

委託者をご主人、受託者を奥さん、受益者をご主人として、信託を設立します。
つまり、ご主人の定めたルールで、ご主人のために財産を利用することができます。

 

【委託者が死亡したとき】

委託者が死亡したとき

事前に指名しておいた受託者である奥さんの管理のもと、お子さん〈または奥さんも〉が受益者となって財産が使われます。

 

生前信託では、ご主人が生きている間は受益者の資格はご主人にあります(図1)。そして、ご主人が亡くなった場合は、お子さん〈または奥さんも〉に受益者の資格が移動します。

 

●生前信託のメリット

①委託者と受託者の契約で信託を設立することができる

②委託者の生存中にスタートするため、家族内で話し合いがしやすい

③委託者の生存中、その財産を信託に移しているため、委託者が死亡しても遺産分割協議などを経ることなく、すぐに信託財産の利用が可能

※特に③は生前信託の大きな特徴です。相続が開始すると、遺産分割協議が成立するまで相続財産の利用はできないことになっていますので、相続の形態によっては大きなメリットになるでしょう。

 

これらのメリットがあることから、一般的に利用される信託の種類の多くは「生前信託」になります