相続手続・遺言書作成・離婚問題に関する基礎知識集

信託設立に関する基礎知識

養育費信託のイメージ

【親権者(監護養育者)を受託者とする場合】

親権者(監護養育者)を受託者とする場合

1.信託に移された財産(通常は金銭)は、受託者(親権者)の固有財産とは分離されて管理されます。

2.受託者(親権者)は、委託者(支払い義務者)の定めたルールに従って信託財産を受益者(子ども)のために使用しなければなりません。

3.受託者(親権者)の信託事務を監督して受益者(子ども)の利益を保護するため、「信託監督人」を別途に設けることもできます。

4.受託者を信託銀行など「利害関係のない第三者」として、信託を設立する方法もあります。

 

○親権者のメリット
養育費の一括払いによって、将来にわたる養育費の履行の確保の困難を回避できる。

 

○支払義務者のメリット

一括払いでありながら、定期給付(毎月一定額を子のために支払う)とすることで、親権者による養育費の費消を防止することができる。さらに、信託監督人を選任することで、子どもの保護を徹底することも可能となる。

 

【養育費の一括払いに関する注意点】

1.養育費とは、子どもを監護・養育していくために当該時点において必要とされているものです。したがって、養育費の支払は「定期給付」が原則と考えらており、裁判上の請求として養育費の一括払いが認められることはほとんどないようです。

2.養育費を一括払いしたからといっても、支払義務者である親は子どもに対する扶養義務から終局的に免れるわけではありません。事情の変更によって、養育費に関する協議や審判は変更されうる可能性はあります。

3.父母間の養育費の分担に関する合意は、子どもの親に対する扶養請求権を消滅させるわけではありません。

 

離婚に際しては「子供の福祉」がとても重要になります。これは養育費の支払に関しても同様です。したがって、養育費の一括払いについては、両親の利害のみによって子供の福祉が害されることのないよう、その活用方法を検討する必要があるでしょう。