信託設立について

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よくあるご質問

成年後見制度と福祉型信託との違いは何ですか?

一般的に、福祉型信託とは「信託を利用して高齢者や障がい者等の財産を管理すること」をいい、成年後見制度を補完する方法として今後の活用が期待されているものです。

ご存知のように、ご高齢者様や障がいをお持ちの方などの財産管理と身上監護を行う制度としては成年後見制度があります。

しかし、成年後見制度は「判断能力が減退した者のための制度」になりますので、判断能力の減退がない場合には利用することできません。

例えば、難病をかかえていても、重度の身体障害があっても、後期高齢者といわれる年齢になっても、それだけでは利用することができないのです。

他方、高齢者や障がい者を狙った悪質商法による被害は、年々増加しています。特に、「ひとり暮らしの高齢者」や「目や耳に障がいをもった人たち」はこのような被害にあいやすいといわれています。

このような人たちを狙った悪質商法が蔓延する現代において、成年後見制度だけでは不十分であるというのが実情です。

また、判断能力に減退はないが、いわゆる「浪費者」といわれる方々も存在します。親などの周囲の人間が、このような人たちの浪費から「生活の基盤となる財産を守りたい」と思っても、やはり成年後見制度は利用できません。

この点、信託は本人の判断能力の減退を要件とせず、契約、遺言、信託宣言(自己信託)のいずれかによって設定することが可能です。

後継ぎ遺贈型の受益者連続信託とは何ですか?

「後継ぎ遺贈」とは、例えばオーナー経営者であるAが、その所有する自社株式を後継者となるBに遺贈する際に、「Bが死亡したときは、Bの子Cに移転する」と定めるような遺贈の特殊形態をいいます。

このような「後継ぎ遺贈」については、民法上無効とする見解が有力とされており、最高裁の判例でも明示されていません。

そこで信託法では、この後継ぎ遺贈と同様の効果を導くものとして、「後継ぎ遺贈型の受益者連続信託」が明文で規定されました。

特に、子供のいないご夫婦などの場合には、「生存配偶者のために遺産を残したいが、配偶者が死亡した後は兄弟姉妹や甥姪などには相続させずに自身が支持する団体等に寄付をしたい」などといった要望がありえます。

このように、後継ぎ遺贈型の受益者連続信託では「企業経営や農業経営における有能な後継者の確保」や「生存配偶者の生活保障」といった活用ケースが想定されています。

永代供養信託とはどのようなものですか?

永代供養信託は「死後の事務を行うための信託」の一種で、寺などを受益者として供養料や墓地管理料などに信託財産(信託金)を用いるものです。

永代供養信託は、生前信託として行うこともできますが、遺言者が自分の死後の墓地の維持・管理等について遺言で定めておくという遺言信託の方法も考えられます。

なお、「永代」との名称が附されていますが、実際の信託期間は永久ではなく、一定期間を経たのちは必要に応じて期間を延長するなどの方法がとられることが一般的です。

養育費の信託というものがあると聞きましたが、どのようなものですか?

信託銀行などの第三者を受託者として、均等割給付金の受給を前提とした金銭信託契約を設定することです。

詳しくはこちら(養育費信託のイメージ)

 

まず、養育費を受け取る側の親(親権者)としては、「離婚後いつまで養育費を約束どおり支払ってもらえるだろうか・・・」という不安があります。

そのため、離婚に際して「できることなら将来にわたって必要な養育費を一括で受け取ってしまいたい」と考えるでしょう。

他方、養育費を支払う側(支払義務者)にしてみれば、一括で養育費を支払ってしまうと、「子どもの養育のためではなく、自分のために使ってしまうのではないか?」という不安があるため、一括払いには応じたくないと考えます。

また、仮に分割払いであっても、「きちんと子どもの養育に対して使われているのか?」という疑問は残り、必ずしも問題がない訳ではありません。
このように、養育費に関しては「受け取る側」と「支払う側」の双方の親が不安をかかえており、一括払いの場合には更にその利害が対立することになります。

そこで、これらの問題を解決する一つの手法として、信託を利用することが考えられました。

事業承継や事業再編に信託が活用できますか?

従来からの事業承継や事業再編としては、事業譲渡、会社分割、合併、種類株式の発行など、主に会社法や相続法の規律に基づいて、その方法が考案されてきました。

他方、信託法では新たに事業信託や遺言代用信託、後継ぎ遺贈型受益者連続信託などが許容されました。それに伴い、所管庁では新たな事業承継・事業再編のスキームとして信託の活用に関する研究会が設けられています。

特に、中小企業における事業承継には、経営者個人の相続対策も大変重要となります。このような事情を踏まえ、今後は新たな事業承継・事業再編のスキームとして信託の活用が期待されているのです。

中小企業の存在が日本産業界の根幹を成している事実を鑑みると、中小企業における円滑な事業承継は国策としても喫緊の課題であるといえます。

この課題に対応するため新たな法律の制定などもなされていますが、従来型の事業承継・再編対策に加え、新たなスキームとして新たに信託という方法が選択できるようになったことは高く評価すべきでしょう。