遺言書作成について

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こんなお悩みないですか?

相続させる方法について迷っている…

(不動産などの)特定の財産を特定の相続人(配偶者など)に相続させる旨の遺言は、特段の事情がない限り、当該財産について直ちに権利移転の効力が生じるものと解されています。

一方、下記の遺言のように、相続財産の全体について、各相続人に割合(持分)で相続させるような遺言もあります。

第○条 遺言者は、遺言者の有する財産の全部を、次の割合で各相続人に相続させる。

妻(昭和○○年○○月○○日) 8分の6
長男(昭和○○年○○月○○日)8分の1
二男(昭和○○年○○月○○日)8分の1

このような遺言の場合、遺言者が(不動産や預貯金などの)個々の遺産について一定の持分を確定的に取得させる意思を有するのか否かが問題になります。

仮に遺言者がそこまでの意思を有しないとした場合、相続財産の権利確定には遺産分割協議等が必要になる可能性があります。

したがって、(不動産や預貯金などの)特定の財産を特定の相続人に確定的に取得させたいという希望がある場合には、当該相続財産について個別に相続させる旨の遺言であることが明確に分かるように定める方法が良いでしょう。

なお、相続財産の種類等によっては、柔軟な解決を図り得る遺産分割協議に委ねるという方法を検討するに値するケースもあると思いますので、ご不安等ございましたらお気軽にご相談下さい。

生前に金銭等の優遇を与えた相続人の相続分を減らしたい…

相続人の中に、浪費癖、その他の何らかの事情によって遺言者から生前贈与等を受けた者がいる場合、他の相続人との公平を図る目的でこれらの相続人の相続分を減らす、あるいは無くすといった遺言書を作成することは可能です。

また、上記生前贈与のような特別受益をめぐって相続人間の紛争を未然に防止する意味でも設けたほうが良い条項といえるでしょう。

ただし、遺言書の中で生前贈与等の事実を記載したとしても、その特別受益が当然に認められる訳ではありません。

もっとも、生前贈与等に対する受領書や確認書などの書面を取るなどしておけば、遺留分権利者の減殺請求権の行使を抑止しうる可能性がありますし、家庭裁判所における特別受益の認定を得るための有力な証拠になるでしょう。

寄与分のある相続人に多くの財産を相続させたい…

同族営業の会社等において、事業拡大などに多大な貢献をした相続人に多くの財産を相続させるといったご要望は少なくありません。

このような場合、端的に当該相続人に多くの財産を相続させる旨の遺言を作成すれば足りますが、その理由として寄与分を考慮した旨を明らかにすることには差支えがありません。

遺言で特定の相続人に寄与分を指定しても「法的な効力」はありませんが、仮に遺留分侵害がある場合においても遺留分減殺請求権の行使を抑止しうる可能性がある点については前述の特別受益の場合と同様です。

寄与に関する客観的資料を揃えておくことに加え、遺言において検討する余地のある条項の一つといえるでしょう。

遺留分侵害があるので遺留分権利者からの減殺請求に備えたい…

遺留分減殺請求が可能で、かつ、減殺対象になる対象(財産)が複数ある場合には、その目的の価額の割合に応じて減殺されるのが原則となります。

もっとも、下記の条項例のように遺言者が遺言に減殺の順序や減殺の割合を定めた場合には、その意思が優先します。

第○条 遺言者は、遺留分の減殺は、長男Aに相続させる財産のうち、不動産以外の 財産からすべきものと定める。

第○条 遺言者は、二男Aから遺留分減殺請求があったときは、その対象となる財産 の価額にかかわらず、各人の相続すべき財産に対する減殺の割合を次のと おり定める。

①妻Bの相続すべき財産につき、遺留分侵害額の5分の2
②長男C、及び長女Dの相続すべき財産につき、遺留分侵害額の各5分の3

ただし、遺贈があるのに生前贈与を先に減殺対象としたり、新しい生前贈与(後の贈与)より先に古い生前贈与(前の贈与)を減殺対象とするなど、民法の定める遺留分減殺の順序に反する遺言はできない点に注意が必要です。

未成年者である孫に遺贈したい…

未成年者に遺贈をしようとする場合、遺言者が心配なことは遺贈した財産の管理についてであろうと思われます。

ここにいう財産管理とは、財産の保存(家屋の修繕など)、利用(家賃を収益するための賃貸)、改良(財産価額増加を目的とする増改築など)を目的とする一切の事実上・法律上の行為とされており、目的の範囲内で処分行為(価格が下落傾向にある有価証券等の売却など)を行うことも財産管理に含まれると解されています。

また、不動産の賃料収入や株式の配当利益といった財産の収益は、養育費や財産管理の費用と相殺したものとみなされます。

もっとも、養育費・財産管理費用と財産の収益との相殺を禁止することや遺贈財産自体を親権者に管理させない遺言をすることは可能です。

お孫さん等の未成年者に遺贈したいが、親権者に浪費癖等があり財産管理を任せるのは好ましくないというようなケースは実際に存在します。

未成年者への遺贈に関してご不安等ございましたら当事務所までお気軽にご相談下さい。

病気や怪我などにより字が書けない…

字が書けない方は「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」を作ることができません。このようなご事情がある場合には、「公正証書遺言」を利用するしかありません。

「自筆証書遺言」の要件は、遺言の内容の全文と日付を自書して、署名・押印することです。したがって、タイプ印書(パソコン等で作成・印刷した書類)で作成された遺言書は自筆証書遺言としては無効になります。

また、「秘密証書遺言」の場合も自分で署名する必要があります。そのため全く筆記ができない人は作ることができません。

夫婦に子供がいないので、夫(あるは妻)と一緒に遺言書を作成したい

ご夫婦で遺言書を作成されること自体は非常に良いアイデアですが、共同遺言(同一の遺言書で2人以上の者が遺言すること)は民法で禁止されています。

このような場合には、ご夫婦それぞれが1通ずつご自分の遺言書を作成しましょう。

遺言書の「内容」を秘密にしたい

「遺言書の内容は知られたくないけれど、遺言書の存在は明らかにしておきたい」という場合には秘密証書遺言を作成されると良いでしょう。

秘密証書遺言は、「遺言書を作成した事実だけ」が公証役場に記録され、遺言書の内容までは記録保管されません。

なお、自筆証書遺言であれば遺言書の「存在」及び「内容」ともに秘密にすることができます。

しかし、遺言書を「自書」する必要があるため厳格な遺言の要件を満たせずに無効となったり、偽造、変造あるいは隠匿されるおそれがあります。また、遺言書の「存在」を知られないために発見されない可能性もあります。

遺言書を作りたいが、病気や怪我などにより字が書けず、言葉も話すことができない…

意思の疎通が可能であれば、通訳人の通訳による申述によって公正証書遺言を作成することができます。また、公正証書遺言であれば、病院などに公証人が出張してくれます。

公正証書遺言は公証人が作成するため、遺言要件の不備や偽造・変造などによって無効になる心配はまずありません。そのため、遺言書作成後に紛争が起きにくいと考えられます。

また、遺言書の原本は公証人役場に保管されるため、隠匿されたり紛失することもありません。そのほか、家庭裁判所での検認手続きが不要であることも長所として挙げられます。

※自筆証書遺言、ならびに秘密証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが必要になります。