遺言書作成について

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よくあるご質問

負担付の遺言とはどのようなものですか?

遺贈、あるいは相続によって遺産を承継する相続人等に、何らかの法律上の負担義務を課す遺言のことを負担付の遺言といいます。

例えば、ある人物の世話をすることやペットの飼育、遺言者本人の葬式や墓作り、永代供養をすることなどを負担の内容にすることができます。

もっとも、負担付の遺言により遺産を承継した者は、その目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負うことになります。

したがって、遺贈や相続による利益と比較して負担の価額が大きいときは、遺贈全部が無効となるのではなく、遺贈の価額を超過する負担部分のみが無効になります。

なお、負担付の遺言によって遺産を承継した者が負担した義務を履行しないときは、相続人等はその負担付遺贈・相続に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができます。

実効性のある遺言を作成するためには、遺産を承継する者の意向を確認するほか、承継させる遺産と負担のバランス等にも配慮する必要があるでしょう。

当然ですが、負担の内容として、犯罪行為をすることや(婚姻・離婚・養子縁組などの)身分行為をすること等を定めても負担としては無効になります。

予備的遺言とはどのようなものですか?

予備的遺言とは、推定相続人(相続が発生した際に相続人となることが予測される者)や受遺者(遺贈によって遺産を承継する者)が遺言者より先に死亡してしまった場合など、不測の事態に対応するための遺言条項のことです。

事後的な対策として不測の事態が発生した際に遺言を書き換えることが考えられますが、この時点で遺言者が遺言能力を喪失している可能性もあります。

成年被後見人の遺言も一定の要件のもとにおいて認められていますが、遺言能力を喪失した者が遺言を作成することは実務上極めて困難です。また、遺言を新たに作成できるとしても、その作成費用は遺言者の負担となります。

以上のような理由から、遺言を作成する際には予測される事態、及び予備的遺言での手当てについて良く検討する必要があります。

もっとも、予備的遺言はあくまで遺言作成時点において想定されうる事態に備えた対策になります。遺言作成後に財産を処分するなど、遺言内容に大幅な変更が生じた場合には遺言書の書き換えを検討すべきでしょう。

死期が間近に迫った患者さんがいます。至急、遺言書を作らなければならない場合、どうしたら良いでしょうか?

「一般危急時遺言(臨終遺言)」といわれる方式で遺言書を作成することができます。

病気で危篤の状態にあるような場合には普通方式(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)によって遺言書を作ることができない場合があります。

したがって、このような特別な状態にある場合には「特別方式による遺言」が例外措置として認められているのです。「特別方式による遺言」には「危急時遺言」と「隔絶地遺言」があります。

特別方式によって作成された遺言は、特殊な状態での例外措置になるため、「遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになったときから6か月間生存するときは、その効力を生じない」とされています。

なお、危急時遺言には「一般危急時遺言」のほかに「難船危急時遺言」といわれる方式があります。「難船危急時遺言」は遭難した船舶の中にあって死亡の危急に迫った者が「口頭」で遺言書を作成できる方式です。

一般危急時遺言(臨終遺言)は普通形式とは異なる要件で作成する必要がございます。ご不明な点につきましてはお問合せ下さい。

伝染病の隔離病棟にいる患者さんが遺言書を作るにはどうしたら良いでしょうか?

「伝染病隔離者遺言」といわれる方式で遺言書を作成することができます。

「隔絶地遺言」には、「伝染病隔離者遺言」と「船舶隔絶地遺言」といわれる方式があります。

なお、伝染病隔離者遺言では「伝染病以外の事由によって隔絶地にある者」も該当すると解釈されており、刑務所に服役している者や津波や洪水などによる災害などで隔絶地にある者もこの方式によって遺言を作成することができるとされています。

遺言書で葬儀について希望したいのですが可能でしょうか?

葬儀の方法などを遺言で指定することができます。また、葬儀を実行させるために一定の法的拘束力を持たせる遺言を作ることも可能です。

遺言書の内容には法的効力のある「遺言事項」と、法的効力を持たない「附言事項」に分類されます。

「遺言で葬儀の方法を指定すること」は「附言事項」となるため、基本的に法的拘束力はありません。あくまで、実際の葬儀に関しての決定権は家族にあることにご留意下さい。

また、葬儀についての希望は、遺言者の死後、すぐに家族の目に触れるようにしておかなければ意味がありません。保管方法などについても工夫されると良いでしょう。

なお、希望の葬儀を執り行ってもらうためには、葬儀の内容についても十分に理解してもらう必要があります。

葬儀に関する希望は具体的に書き残すようにすること、そして、家族には自分の希望を良く理解してもらうよう話し合っておくことがとても大切になるでしょう。

遺言書に法的効力のある内容以外は書いても無駄という訳ではありません。自分の思いや希望を記すことは、残された家族が物事を判断するための重要な指針となりえます。

当事務所では、遺言・相続のご相談に来られたお客様に「相続・葬儀のためのエンディングノート」を無料でお配りしております。ご希望の方は面談の際にお申し付け下さい。

相続させたくない子供がいるのですが、どのような遺言書を作れば良いのでしょうか?

子供の遺留分に配慮する必要があります。廃除特別受益寄与分などを検討しながら現実的な内容の遺言書を作成することが望ましいでしょう。

ただし、仮に遺留分を無視した内容の遺言書を作成したとしても、その遺言がただちに無効となる訳ではなく、また、遺言書の内容の全てが当然に無効ということでもありません。

なお、相続、あるいは遺贈を受けた者がいる場合、その人たちは遺留分を侵害された子供から遺留分減殺請求を受ける可能性があります。

本来、遺言書とは「争族」を回避するために活用すべきものだと思いますが、現実にはそうせざるを得ない事情が存在する場合もあります。

このような内容の遺言書の作成には検討事項が多く存在するため内容が複雑になりがちですので、ご不安やご心配がある場合には当事務所にご相談下さい。